「日本は中国でなにをしたのか」
笠原十九司教授概説・監修の日中友好ブックレット3、この本は、読んで決して気持ちの良い本ではありません。むしろ、どのページを開いても胸が息苦しくなる本です。しかし日本人として決して目をそむけてはならない内容です。
私はこれからお読みになる方のために、あえて内容を語りません。ただ1ページ目のプロローグだけをかいつまんで紹介します。以下抜粋。
昭和天皇の弟、三笠宮崇仁親王が、騎兵聯隊で教育を担当し精神訓話をする際「日本軍の行う戦争は正義の戦いであると部下に教えていました。1943年1月、私は支那派遣軍参謀に補せられ、南京の総司令部に赴任しました。そして1年間在勤しましたが、その間に私は日本軍の残虐行為を知らされました。
陸士時代の同級生の青年将校から、兵隊の胆力を養成するには生きた捕虜を銃剣で突き刺せるにかぎると聞きました」。
これは三笠宮殿下が書かれた「古代オリエント史と私」に書かれた一節です。醜いものから一切遠ざけられて育った殿下にとって、これほどのショックはなかったでしょう。
これからは私の勝手な推測ですが、このことは当然甥の平成天皇に話され、ご自身も戦争の惨禍を歩かれて「二度と戦争はすべきでない」。それが先の天皇誕生日のお言葉に、幾度となく平和と象徴を繰り返されたことに表れていたのでなかろうか。
天皇が靖国神社にA級戦犯が合祀されてからというもの、一度も参拝されたことがないのは、そうしたことがあってのことかもしれません。
本体価格600円です。 是非購入をお勧めします。
事務局長 影浦貞宏