2018年7月3日火曜日

正覚寺住職の表白

   表 白
 
 敬って大恩教主釈迦如来 極楽能化弥陀善逝 十方三世一切の三宝に白して言さく
 本日ここに 有縁参集の人々と共に 恭しく尊前を荘厳し 懇ろに聖教を拝読して第五十三回中国人殉難者全道慰霊祭に於いて全殉難者追弔法要を勤修し奉る
 それ殉難者追弔法要は 故人の慰霊鎮魂にとどまらず 永く強制連行犠牲者の歴史を心に刻み 再び民族の横暴 国家の侵犯を許さぬ決意を新たにする法要なり
 顧みれば 総そ国家の侵犯は あい憎める国の闘争にあらず あい怨める人の支配にあらず 人間の貪瞋愚痴 真実昏きにより起こるものなり しかれども ひとたび起こらば 人は鬼となり 狂気はあらゆる生存を奪い尽くさんとす 真に自害害彼 彼此俱害の教え いたく身に沁み 如来の遺教を慕う思い 甚だ切なり
 慰霊祭おこりて ここに五十有余年 今にその傷痕に苦しむ人少なからずと雖も かえって中国人強制労働の悲惨を知らざる者 その数を加う 今や長く その殉難の歴史を記憶に留め 謹んで迷界の愚昧を恥じて とこしなえ兵戈用いざることを誓いつつ 仏思報尽のつとめに勤しまんことを
 時に 平成三十年六月二十四日 真宗大谷派北海道教区北三組 
 組長 正覚寺住職 釈秀円 敬って申す