2016年10月7日金曜日

北海道大学法学部吉田邦彦教授の毒ガス兵器遺棄を巡る戦後責任問題についての研究報告会

9月23日、北海道大学人文・社会科学総合研究棟で開催された北大民法研究会で、日中道連主催の中国旅行に参加された吉田邦彦教授が「中国での毒ガス兵器遺棄を巡る戦後責任問題ーーーチチハルの毒ガス被害者の聞き取りを受けて」のテーマで報告されました。日中友好協会から小川勝美道連事務局長、河野紘苫小牧支部事務局長が出席しました。
 吉田教授は、道連主催で行われた中国旅行(8月26日から9月1日)に参加されたのち、独自に毒ガス被害者に面会されました。報告はこれを受けての研究報告でした。チチハル事件んの被害者の楊樹茂(58歳)さん、憑佳緑(23歳)さん、千景芝(68歳)さん及びフラルキ事件の李国強・王雅珍ご夫妻と面会されています。さらに、すでに結審している4つの裁判(いずれも原告敗訴)の経過・内容について解説がありました。被毒時から13年~29年もの時間を経過しているにもかかわらず後遺症に苦しんでいる被害者になんら手を差し伸べられていない現状に大きな問題があると研究者の立場で報告しました。加えて、吉田教授は広島県大久野島での毒ガス製造工場跡を視察され、そのことについても触れられました。また、コメンテーターとして淡路剛久立教大学名誉教授の参加があり発言されました。
 出席した学生や他の研究者から、こうした事実を広く伝えて、世論を喚起していくことがこの問題の解決に大切だとの意見が出されました。
                             パワーポイントを使って 報告する吉田邦彦教授

第24回 室蘭で 10・9 中国人殉難烈士慰霊の集い

10月2日、秋晴れの下、室蘭市イタンキ浜の中国人殉難烈士慰霊碑前で、「第24回10・9中国人殉難烈士慰霊の集い」が開催され、58人が参加しました。
 参会者全員で黙祷をささげたあと、松原剛実行員会代表は「個人参加の実行委員会をつくり、幅広い市民に呼びかけ、1993年10月9日にイタンキで遺骨が発掘された日にちなみ10・9を冠した慰霊の集いを開催し、以来毎年開催してきた」などの挨拶が行われ、続いて参会者が次々と献花を行いました。
 中国人殉難者全道慰霊祭の鴫谷節夫事務局長(日中友好協会北海道連会長)などが来賓挨拶をされました。
 中国から室蘭工業大学に留学している3人の学生も紹介を受けました。
 また、室蘭合唱団「あすなろ」の皆さんが「砂に消えた人々」を合唱しました。
 鴫谷節夫道連会長が慰霊の太極拳を表演しました。
 札幌支部からは、小川勝美理事長、影浦貞宏事務局次長と教育大学の本庄十喜先生が参加しました。
 午後2時からは中小企業センターの大会議室で懇談会を開き、「証言 侵略戦争 人間から鬼へ、そして人間へ」のDVDと「中国人強制連行犠牲者の遺骨発掘時(1954年10月9日)の記録」のDVDを視聴しました。
 懇談会では、様々な意見などが出され、また、犠牲者の数と遺骨の数の違いなどに質問が出され鴫谷会長が丁寧に答えていました。
 また、慰霊の集いと懇談会に伊達高校放送局の生徒さん2人が参加し、高文連のコンクールに慰霊碑や集いを取り上げたいと話していました。






伊達高校放送局のみなさん
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 月寒高校放送局が劉連仁をテーマに

10月12~14日の3日間、江別市民会館で開催される「第55回高文連放送コンテスト石狩大会」に月寒高校放送局は、ラジオドキュメント部門に劉連仁の過酷な運命を取り上げることにしました。
 劉連仁は、1944年秋、中国山東省草泊で突然日本軍に拉致され、雨竜郡沼田町の明治工業昭和鉱業所に連行された中国人です。極悪な環境と過酷な強制労働に耐えかねて終戦の直前に脱走。終戦を知らず13年もの間、北海道の山野を逃げ回った人です。
 9月25日、局長の谷奥季穂さん、局員の薄木楓香さん、小泊有生さんの3名が日中友好協会札幌支部事務局次長の影浦貞宏さん夫妻の案内で、「劉連仁碑を伝える会」の三上勝男会長、大嶽秋夫事務局長、今野一三六代表代行と若葉会館でお会いし、「劉連仁生還碑」を訪問。三上会長などから生還碑建立の経緯などを聞きました。谷奥さんはインタビューを終えて「大変ショックを受けました。5分間の短い発表ですが一生懸命まとめたい」と話していました。


中華人民共和国成立 67周年祝賀会が盛大に開催

9月26日、札幌パークホテルで、総領事館主催による「中華人民共和国成立67周年祝賀会」が、盛大に開催されました。
 日本中国友好協会札幌支部から、小川勝美理事長、三木ふみよ事務局長、影浦貞宏事務局次長の3人が参加しました。
 中国総領事館の孫振勇総領事は、「67年前に成立した新中国は、貧しく、戦争の被害が大きかったところからのスタートでした。今日では、世界第二位の経済大国に発展し、外貨準備高も世界一になるなど歴史的な発展を遂げてきました。中国と日本との関係も大きく発展し、中国と日本の往来は700万人を超え、貿易高も3000万ドルを超えた。飛行機も週1100便が飛んでいます。北海道への旅行者は、2015年の外国人旅行者の内、中国からの来訪者が63%を占めており、香港、台湾、マカオを加えると65%にのぼっています。中国と日本は平和的発展と協力をウイウイの関係で進めたい」などと挨拶されました。
 副知事や秋元克広札幌市長などの祝辞の後、祝宴に入り、日本の各界の皆さんや華僑の皆さんなどが挨拶を交わし、交流しました。
 ステージでは中国琵琶やニ胡の演奏が行われ、北海道華僑華人連合会の合唱サークルが副会長で私どもの中国語教室の楊志剛先生のアコーディオン伴奏で合唱を披露しました。
                                                挨拶をされる孫振勇総領事
楊志剛先生のアコーディオン演奏で合唱する皆さん
孫総領事夫妻と記念撮影。左から影浦、小川の両氏、右から三木ふみよさん、周玉蘭さん。