9月23日、北海道大学人文・社会科学総合研究棟で開催された北大民法研究会で、日中道連主催の中国旅行に参加された吉田邦彦教授が「中国での毒ガス兵器遺棄を巡る戦後責任問題ーーーチチハルの毒ガス被害者の聞き取りを受けて」のテーマで報告されました。日中友好協会から小川勝美道連事務局長、河野紘苫小牧支部事務局長が出席しました。
吉田教授は、道連主催で行われた中国旅行(8月26日から9月1日)に参加されたのち、独自に毒ガス被害者に面会されました。報告はこれを受けての研究報告でした。チチハル事件んの被害者の楊樹茂(58歳)さん、憑佳緑(23歳)さん、千景芝(68歳)さん及びフラルキ事件の李国強・王雅珍ご夫妻と面会されています。さらに、すでに結審している4つの裁判(いずれも原告敗訴)の経過・内容について解説がありました。被毒時から13年~29年もの時間を経過しているにもかかわらず後遺症に苦しんでいる被害者になんら手を差し伸べられていない現状に大きな問題があると研究者の立場で報告しました。加えて、吉田教授は広島県大久野島での毒ガス製造工場跡を視察され、そのことについても触れられました。また、コメンテーターとして淡路剛久立教大学名誉教授の参加があり発言されました。
出席した学生や他の研究者から、こうした事実を広く伝えて、世論を喚起していくことがこの問題の解決に大切だとの意見が出されました。