日本が「戦争で滅ぶ国」となる
~安保3文書とメディア報道~
4月29日 かでる2・7(4階大会議室)に於いて、日本ジャーナリスト会議北海道支部主催、新聞労連北海道新聞労働組合の後援による、講演会が開催されました。
講師は、防衛ジャーナリスト・東京新聞論説兼編集委員の半田滋(しげる)さんでした。講演の大筋を紹介します。
安全保障政策の大転換
①国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の3文書改定で「敵基地攻撃能力の保有」が決定。「反撃能力」と言い換えながらも「先制攻撃」が可能に。自衛隊と米軍との一体化を強調。
②「防衛力を5年以内に抜本的に強化」を明記=NATО並みの対GDP比2%5年間の防衛費は43兆円の増。財源は増税で賄う。
さらに深まる戦争への道
米軍は「鉾」、自衛隊は「盾」との役割分担は変更し、自衛隊が「鉾」も「盾」も担うことに。
きっかけはやはり安倍談話
配備を停止したイージスアショワの代替えとして、弾道ミサイル等の脅威に対し迎撃ミサイル確保が必要。
これを引き継いだかたちで菅政権で、「イージス・システム搭載艦」建造を決定。
さらに迎撃だけでは足りない。抑止力強化のために、「敵基地攻撃能力の保有」を政策として取り入れるよう要求。岸田政権で実現。
国民を騙した果てにある「敵基地攻撃能力」
2020年12月18日、加藤勝信官房長官は「自衛隊員の安全を確保しつつ、相手の脅威圏の外から対処を行う、我が国のスタンド・オフ防衛能力を強化するものであり、いわゆる敵基地攻撃を目的としたものではない」。
これは真っ赤なウソでした
昨年11月27日東京新聞に兼原信克安全保障局次長は次のように語っている。
「将来は反撃能力(敵基地攻撃能力)にしたい思いだった。周辺国が日本を射程に治める中距離ミサイルを持つ中、日本国民をどう守るか考えた結果だった」。
先制攻撃となる理由
国家安全保障戦略並びに国家 防衛戦略の中で確認された「武力行使の三要件」とは
①「我が国に対する武力攻撃が発生したとき」
②「我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること」
「密接な関係にある国」とは
「武力攻撃に対し、共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思表明する国を指す」(政府見解)
「米国だけとは限らない(安倍首相) 少なくとも米国は含まれる。
つまり日本が攻撃されていないにもかかわらず、他国を攻撃できるという意味。これこそが先制攻撃である。
政府は「専守防衛の堅持」「先制攻撃はしない」というが、どう考えても先制攻撃であり、専守防衛から逸脱している