2021年10月18日月曜日

遺骨の発掘送還運動と中国人殉難者名簿

 遺骨の発掘送還運動と中国人殉難者名簿

        劉連仁さんの思い出(9)

         日中友好協会北海道連 会長 鴫谷節夫

   コロナによる緊急事態宣言で会場使用に制限がかかり、昨年今年と中国人殉難者全道慰霊の行事に困難が生れています。例年参加している人も、今年は無理でしょうと言います。私自身もどうしようかと悩みます。

 ふと、劉さんに聞いてみたいと思います。何と言うだろうと想像してみますが、劉さんはニコニコ笑っているだけです。

 やっと解除になったので全道慰霊祭は、10月24日に開催します。先立って室蘭の慰霊の集いが10月3日開催されました。屋内の懇談会は無し、雨天の場合は中止する、強い決意に天も味方、穏やかな好天の中、イタンキ浜の眺めも美しい会場となりました。

 全道慰霊祭事務局からの挨拶をしながら参列者を見渡すと、コロナの為椅子を少なくしてあるので後ろ側にずらりと並ぶ室工大の中国人留学生の姿がありました。この室蘭の慰霊の集いがしっかりと根を張っているのを実感しました。

 1953年2月に「中国人殉難者慰霊実行委員会」が発足し、7月に遺骨送還船が出航しました。以後1964年まで9回に渡って2810柱15箱の遺骨を送還しました。

 さらに1960年2月には、中国人殉難者名簿共同作成実行委員会によって死亡人員6732名の「中国人殉難者名簿」が作成されています。日中道連で刊行した「知っていますか❘北海道での中国人強制連行❘全道58事業場殉難記録」にこの名簿の北海道分を収録しています。

 先人たちの残した「燦然と輝く偉大な業績」を思うとき、コロナの中でも絶える事無く慰霊祭に取り組む勇気が湧いてきます。                                          (つづく)