2015年10月7日水曜日

 思いがけない中国大使館からの招待

大判の封筒が総領事館から届きました。一目見て、ああ今年の国慶節の招待だなと思って後で見ようと机の隅に置いて、あっという間に1週間が経ちました。
 思い出して手帳にメモしようと開封。出欠の返信用紙に交通手段(飛行機、新幹線、電車)、東京往復の交通費を負担しますと書いてあります。総領事館に行くのに、なんで飛行機?全く思いも寄らなかった招待です。事態がのみこめないまま改めてしっかり読み直しました。
 「本年は戦後70周年という記念すべき年にあたります。中国大使館は強制連行による中国人殉難者慰霊碑の設立、維持管理及び慰霊祭の開催など長年にわたってご尽力されたことに感謝し、中国と日本との永遠の平和と友好を願って、関係者の皆様と座談会及び懇親会を下記により開催します。ご多用の折と存じますが、1~2名のご臨席を賜りますようご案内申し上げます。
                                                                     中華人民共和国駐日本大使館
                                                                                    2015年8月吉日  」
 同封されていた「感謝状」には「中華人民共和国特命全権大使程永華」と署名がありました。もう間違いない。9月18日午後開催。連休を控えて切符は売切れやっとのことで日帰りで参加できました。
 座談会は時間が足りません。午後2時半定刻に始まりましたが、各団体5分で代表挨拶と慰霊碑紹介をということでしたが、それを守ったのは初めの6団体くらい(その内北海道が5団体)15分、20分などもあって全28団体の発言が終わったのは予定時刻を1時間も過ぎた午後6時半でした。予定されていた自由発言・討論も出来なくて、この中国人殉難者慰霊活動の本質的な課題は何かという討論が聞けなかったのは残念でした。
 戦後70年という節目の年に同胞のこととはいえ、中国が国家として私たちの慰霊活動を高く評価してくれたことは、大変有難く嬉しく思いました。同時にもう一つ私たちに「感謝状」を出さなければならないところがあるのではないかと心底から思いました。
 何も感謝状が欲しくてやっているわけではないが、4万人を強制連行し7千人殺した責任は日本政府にある。北海道では3047名も殺したわけだから、年一度の慰霊追悼行事を北海道として高橋知事が主宰して行うのが当然だと思います。
 そういう日本政府・北海道政を実現しなければならない。それまでこの全道慰霊祭をやめるわけにはいかないと中国大使館を出る時改めて決意しました。
                                         日中友好協会北海道連会長 鴫谷節夫