2017年2月14日火曜日

「今!日本国憲法の危機」~基本的人権・平和主義があぶない~紀元節復活反対2・11道民集会

 2月11日、ホテルライフフォート札幌で、第40回紀元節復活反対2・11道民集会が500人の参加で開かれました。
 主催は靖国神社国営化阻止道民連絡会で、日本中国友好協会札幌支部も加盟団体です。
 主催者を代表して、札幌バプテスト協会の浦瀬佑司さんが「世界歴史の転換期といわれている。資本主義の在り方が問われている。国内政治は劣化しつづけ、戦後民主主義があぶなくなり、超国家主義がはびこってきている」と話し、憲法を守る運動の重要性を強調しました。
 「今!日本国憲法の危機」~基本的人権・平和主義があぶない~と題して、室蘭工業大学大学院工学研究科 清末愛砂准教授(日中友好協会室蘭支部会員)が、パソコンのパワーポイントを使って約1時間半講演しました。
 清末准教授は「私は4歳から教会生活をしています」とクリスチャンである事をを自己紹介し、ドイツの神学者ディートリッヒ・ボンヘッファー(ヒットラー暗殺計画に関わったとして1944年7月に逮捕され、45年4月9日に強制収容所で処刑)は、私に何を遺したかと話し始め、ボンヘッファーの「祈ることと正義を行うことから新しく生まれてこなくてはならない」との言葉を紹介しました。
 学問の自由と戦争・武力行使への加担について、防衛省「安全保障技術研究推進制度」という罠に触れ、室工大の中にも研究費欲しさからこれを利用しようとする動きがあり、一昨日(9日)大学側にゴーサインを出さないように6人の教授が「申し入れ」を行ったことを明らかにしました。
 また、私は許さない、『戦争や武力行使の犠牲者を二度殺すことを!』と平和=安全保障という罠について、2016年12月国連総会で「平和への権利宣言」が採択された。平和は状態ではない。権利性を有するもの。安倍政権の「平和」は軍事のこと。安全保障体制が推進されるとき、基本的人権が同時に否定されていく。ボンヘッファーは「平和は安全保障の反対である。安全を求めるということは{相手にたいする}不信感を持っているということである。その不信感が、再び戦争を引き起こすのである」と紹介しました。
 明文改憲・加憲の時代を迎えて、明文改憲・加憲で何が狙われているのか? ターゲットとされているものは、緊急事態条項の導入(=加憲)極めて危険である。改憲勢力による「改憲ではありません。加憲です」との主張は注意すべきである。また、憲法24条の婚姻では、1、婚姻は、両性の合意にのみ基づいて成立、2、個人の尊厳と両性の本質的平等がポイントと述べました。
 清末さんは、保守改憲勢力と9条について、とりわけ2項「戦力の不保持」に対する改憲の欲望が強い。保守改憲勢力の憲法観は強い国家を目指すもので日本会議と同じでる。また、長年の改憲対象である緊急事態条項(国家緊急件)の導入について、2011年東日本大震災&2015年のフランス同時多発テロ以後自民党が議論を再活発化している。緊急事態条項とは何かについて、「国家権力が、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限である」と芦部信喜氏の文言を紹介しました。
 続いて、自民党の「憲法改正草案」について、98条の1項や3項を紹介し、緊急事態宣言が「百日を超えるごとに事前に国会の承認を得なければならない」とし、長期間効力を持つ可能性を持っている。また、4項で「その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されない」となっており、選挙の引き延ばしによる長期政権の維持が可能になっている、と紹介しました。
 憲法24条の複数の意義に触れ、家族制度を廃止したもので、消極的自由権と平等権を保障して、日本社会の民主化を促すものであった。と強調しました。
 9条&24条の一体化論の意義を浸透させようと呼びかけました。
 最後に、清末先生は、私は人殺しに加担することなどできない。パキスタンやアフガニスタンで、アメリカの無人爆撃機が、人の結婚式を爆撃する権利はない、と講演を結びました。
 自治体首長などへの要請文を高教組の菱木淳一さんが提案し、キリスト者の浦部浩行さんが集会宣言を提案。全員一致で採択されました。
 集会の最後に、北教組の葛西健治さんのコールで、「紀元節復活反対」「平和を守ろう」「憲法を守ろう」と唱和しながらメッセージボードを全員で掲げました。
                                  主催者を代表して浦瀬祐司さんが挨拶
            室蘭工大の清末愛砂准教授が講演
           高教組の菱木淳一さんが自治体要請文を提案
しんぶん赤旗提供 メッセージボードを掲げる参加者