2020年7月7日火曜日

日中友好協会創立70周年に寄せて 本庄 十喜

  日中友好協会創立70周年に寄せて
           本庄 十喜
        北海道教育大学准教授

 この度は貴会創立70周年まことにおめでとうございます。

 私は大学生の頃より複数の市民運動に参加して参りましたが、貴会の意義深い取り組みには実に多くのことを学ばせて頂いております。とりわけ1950年代初頭という創立直後から全国で行われてきた中国人強制連行犠牲者の遺骨収集と返還、強制連行関係資料の発掘・整理、そして犠牲者の慰霊碑建立・追悼行事を通じての歴史継承活動等は、特筆すべき稀有な活動だといえるのではないでしょうか。

 2014年の来道以来、私は札幌支部の皆さんのご高配で仁木町の全道慰霊祭や室蘭のイタンキ浜で執り行わる慰霊祭に参加する機会に恵まれました。ともに参加した当時のゼミ生だった中国人留学生は、初めて知る貴会の活動に深い感銘を受け、それらの一部を修士論文としてまとめるとともに、「日中の平和の架け橋となりたい」と意気込んでおりました。私自身、来道以前は、道内に6つもの中国人慰霊碑(『強制連行中国人殉難労働者慰霊碑資料集』2016年より)があることも、それらを守り継承する地道な取り組みが貴会関係者のみなさんのご尽力によりなされていることも恥ずかしながら知らず、遅ればせながら、学生とともにようやく学ばせて頂いております。
 日中の真の友好は、日本政府が「過去の克服」を果たさぬ限り難しいことですが、貴会の70年に渡って取り組まれてきた、草の根の「真理の追究」こそが、両国間の真の友好の道しるべだといえるでしょう。

 末筆ながら、貴会のますますのご発展を心よりお祈りいたします。